プロジェクションで世界を広げる「忍たま」ミュージカル

さっそく投稿します、こんにちは。

同タイトルで別場所にも感想あげたりしたんですが、内容修正しつつこちらへも。

 

突然ですが、わたしは次元に関係なくわりとオタクと呼ばれる人種だと思います。

アニメ、漫画、ゲームといった2次元ものだけではなく、海を渡った先のお国のアイドルにまで手をだしている始末。そして近年、どうも舞台関係もヤバイなと思っているところです(まだ引き返せる)

 

2次元も3次元も好きなものは好き!

でもオタクといってもライト層だとは思いますね。好きなものを自分の裁量で好きなだけ。自由に生きてます。

去年? 一昨年かな? 同じ趣味をもつ友人・難波とルームシェアをするに至ったことでこの「オタク」の幅を広げてしまったというか……今まではずっと浅瀬に立っていたのに、いつの間にか酸素ボンベつけて潜り続けてるみたいな……頭上の海面遠くなってんなー! ……という気分。

というか、その友人に出会ったことが既に新しいオタクジャンルを開く一因でしたね。

今回の表題「忍たま」なんてまさにそうです。

 

 

6/18、満を持して『ミュージカル「忍たま乱太郎」第8弾再演 ~がんばれ五年生!技あり、術あり、初任務!!~』のマチネに登校することができました。

 

 

登校? ってなんだろう。わたしも最初思いましたけど、舞台に出演されるキャストさん方も使っていらっしゃったので公式表現なのかな?

すごく素敵です。そう、わたしたちは忍術学園に行くんだ!

ちなみに忍者のたまごじゃない、水軍の方々サイドの表現としては乗船になるようで。

どっちにしろ、いいなあ。素敵だなあと思いました。


ところで「忍たま」そりゃあ昔はみてました。国民的アニメですよね。名前聞いて知らない方ってあんまりいないのではないでしょうか。でも、こういう歳になって改めてオタクとしてのわたしが「ハマる」ことになる未来はちょっとみえていませんでしたね……。わたしのサイドエフェクトでは予知できなかった。

ここでまた突然なんですが、なにをかくそうわたしの生態の根本は夢女子です。

たとえば何かの作品を好きになる理由はたくさんありますが、この「ハマる」状態になる大きな条件のひとつが自分の好きな子ができることです。

夢女子にも色々分類があると思っているのでこれはまた今度詳しく書きたいと思いますが、わたしは「夢」といっても、好きになる子=彼氏という方程式が絶対ではないタイプです。好きのベクトルにも色々あるやつ。

それはおいといて、そういう夢女子的なわたしとしては、その好きの種類に関わらず「唯一の本命」ができることがそのコンテンツにハマる条件のひとつというか。

たとえばめちゃくちゃストーリーがいい作品があったとしても「みんな好き!すごくよかった!」と「○○が好きになった!すごくよかった!」では結構違うんですよね。自分の中での熱量が。

 

このへんただの前置きなんですけど、つまり忍たまでもそういう子ができちゃったんですということ。これ、これが言いたかった。

唯一の本命……結構決まるまで早かったんですよね……わたし、生物委員会委員長代理・竹谷八左ヱ門がすごく好きです。

 

もうここからは早かった……色々調べたら舞台もやってる、ちょうど再演のチケット申し込みやってます。忍たまにも舞台ってあるんだ! 歴史結構長いんだなあ~すごいなあ~あんだけキャラクターいたら全員はでてないよね……そうかそうか六年生がメインなのかな? 今やってる舞台は……え? 五年生が主役? 初めて五年生が全員そろってるって?

 

五年生=竹谷八左ヱ門の在籍学年

 

行くしかなくなりましたね。選択肢がなかった。

いや、この熱量だったら他学年でも行ってたとは思いますよ。でもさあ。

あ、ちなみに三年生も好きなんですけど! でもさあ。

 

とにかく問答無用でチケットとりました。倍率とかわからなかったんですが、とにかくとれました。

わたしに忍たまという新しい扉を開かせた友人(難波です)も舞台は行ったことないって言ってましたけど、もちろん連番ですよ。行くって言ってくれるのわかってましたから。

 

ここでやっと本筋に戻れるわけですね。

 

そんな今回みてきた忍たまミュージカルですが、公演名でわかる通り再演公演です。

初演は既に全公演終了済。初演DVDはですね、再演会場で売るって情報得たときから買うことを決めてました。公演曲のCDもある? そりゃあもちろん一緒に買いますよ。

めっちゃみてます。初演と再演、会場が違うのが良い。内容も少し変わってます。


初演公演はシアターGロッソ、再演公演はサンシャイン劇場です。

無知だったわたし、色々調べましたが、忍たまは初演と再演で劇場が変わるそうですね?ただただ、初演も実際に足を運んでみたかったと強く思います。


さて、忍たまの舞台は演劇ではなくミュージカルです。

2.5次元の舞台でミュージカルと銘打ったもの、実は見るのが初めてでした。元々そんなに2.5次元舞台を見に行けていないので当たり前なのですが。

ちなみにハイキューの2.5次元は演劇だったのでやはりそこの違いが……とか言おうと思いましたが、わたしハイステでも曲がね、好きなんです。

ハイステは表記として演劇となっているものの、ミュージカル要素(歌・ダンス)も含んでいるのでストレートプレイと呼ばれるような演劇とは別物ですもんね。

今までの忍ミュ公演をみていないので「これが忍ミュ!」と言ってしまっていいのかわかりませんが、少なくとも今回の公演に関してはプロジェクションをそこそこ使用した演出で、わたしはこれがとても大切だったと思っています。

草木の影、波模様。歯車とかとか。簡単な影のプロジェクションでしたけど、ライティングと相まってすごく良かったんですよね。

おそらく、投影範囲がよかった。会場規模がよりそうさせるようでもありましたが、このプロジェクションのおかげで、わたしたちは客席にただ座っているだけで、いつの間にか忍たまの世界に入り込んでました。


わたし、こういう舞台好きです。どうしてって、だってめちゃくちゃ楽しい。

だって、今までアニメをみることだとか文章を読むことだとか、そういう隔たりのある向こうでしか忍たまという作品に触れることができなかったのに、この舞台ときたら「体感」することができたんです。わたしもあの作品の世界の中に、確かにいた。


忍ミュは舞台上にわたしたちを引き込むというよりも、向こうからこちら側に向かってきて、そしてその場所を自分たちのものにしてしまうような……そういう空間のつくりだったと感じています。

この感覚はこのプロジェクションを使用した演出のおかげです。

客の目の前、このステージだけが舞台だって誰が決めた? 

右をみても左をみてもいつの間にかそこが舞台、そこが僕たちの生きる世界。

まっすぐ正面の舞台が今、海の上で、そこから視線を逸らしたらその先は海じゃないのか? 普通はそうなんでしょう。でもね、忍ミュは違いました。

いつの間にか横目でみた客席も海だった。見上げたそこは太陽があるし、海の色と同じ空がある。

 

うーん、抽象的な表現ですね。

でも、少なくともわたしはこういう気持ちになったし、これがハイステのときとは全く違う感覚だっていうのがすごく面白い。

ハイステこそプロジェクションが売りの舞台でしたが、ハイステのプロジェクションと忍ミュのプロジェクションは役割が全然違うわけです。優劣とかじゃない。わたしはハイステもものすごく好きです。

忍ミュはまさに世代を問わず楽しめるミュージカルだなと思いました。わくわくするんですよ。すごく。本当に楽しかった。

 

先ほど会場規模云々と話をしましたが、広すぎると空間全てを取り込むのは難しいんじゃないかなと思うわけで……まあでも、今回の忍ミュに関してはもっと広い空間でも自分のものにできると思えましたが……それはさておき、ひとつだけ言いたい。どうしてサンシャイン劇場なんだろう?

わたし、今回初めてサンシャイン劇場を訪れましたが、壁面の意匠が独特ですよねサンシャイン。

壁に凸凹があるじゃないですか。舞台建築に明るいわけではないので確かではありませんが、単純な意匠面での構造というだけではなく、音の吸音・反射も考えられてる可能性もある。そのへんどうなんでしょう。

どちらにせよ、それが悪いわけではなく、普通に良いと思います。

ただし、今回だけは、講演会や発表会・通常の演劇の公演会場として使用される場合であれば、という注釈をつけなければなりませんが。

 

プロジェクションを使用するという点において、余分なものだったなと感じてしまったんですよね、あのでこぼこ。絶対にただの平面の方がよかった。

たとえば、この点について同じくプロジェクションを使用するハイステと、その会場であるアイアの相性はとても良いんです(アイアは劇場建築としての難点をしばしば指摘されているとは思いますが)

ただ、忍ミュはどうしても演出上、世界観を創造する上でも、舞台上の高さ空間に重きがあると思いますのでアイアは適してないですよね。

どこ、とは言えないんですが、他にもっとあったのではと思ってしまう。そこが残念でした。わたしが過去の公演を実際にこの劇場でみたことがなく、劇場に思い入れがないことも大きいのかも知れません。

プロジェクションを活用するのに利点が全くないように思えるのに、逆に欠点が生まれてしまうところも残念です。

プロジェクションが歪む。これ、これです。

あの壁面のせいで意図しない影ができるとか、単純に文字のマッピングがみえにくいだとかそういう……細かいところなんですけど、わたしが建築分野の人間だから余計目についたということもあったのかな。とにかく気になったところでした。

 

でもね、公演そのものはそれを些細なことにできるくらい素晴らしかったので。

 

ところであの、まだこれ超序盤なんですけど、あまりにも長すぎるのでここでわけます。ぶつ切りで申し訳ないですが、続きはその②で。